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投資・資産形成2026.06.21 公開

仕組み債の危険性|「高利回り」の裏に隠れたEB債・ノックインの仕組みと元本割れリスク

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「年利◯%の高利回り」「定期預金よりずっとお得」—— 証券会社や銀行で仕組み債(しくみさい)をこう勧められたことはありませんか。 債券(国や会社にお金を貸して利息をもらう商品)の一種に見えますが、実際はデリバティブ(金融派生商品)を組み込んだ非常に複雑な商品で、 高い利回りの裏に大きく元本割れするリスクが隠れています。 近年は金融庁も販売姿勢を問題視してきた商品です。仕組みと注意点を中立的に整理します (本記事は一般的な情報で、投資助言ではありません)。

仕組み債とは

仕組み債は、ふつうの債券に「オプション」などのデリバティブ取引を組み込んだ債券です。 その仕掛けによって高い利回りを実現していますが、裏側では「ある条件になったら、投資家が大きく損をする」仕組みが組み込まれています。 代表的なものに、特定の株価に連動するEB債(他社株転換債)や、 日経平均などの指数に連動する日経平均リンク債などがあります。

なぜ利回りが高いのか

高い利回りは、発行体が気前よく払ってくれるからではありません。 投資家が「相場が大きく下がったら損を引き受ける」という約束(オプションの売り)を 知らないうちにしていて、その見返り(保険料のようなもの)が高い利息に化けているのです。 つまり高い利回りは、大きなリスクを引き受けた対価であって、お得さの証ではありません。

仕組み①|利益は限られ、損失は大きい(非対称)

仕組み債の多くは、うまくいっても受け取れるのは決められた利息だけで、 値上がりの恩恵は受けられません。 一方で相場が大きく下がると損失には歯止めがなく、大きく元本割れします。 「勝っても小さく、負けると大きい」という、投資家に不利な非対称な形になっているのが特徴です。

仕組み②|「ノックイン」で元本が大きく減る

多くの仕組み債には「ノックイン」という仕掛けがあります。 これは、対象の株価や指数があらかじめ決められたライン(例:当初の60%)を一度でも割り込むと発動し、 満期時に大きく値下がりした価格で元本が清算されるというものです。 平常時は約束どおり利息が入るので安心しがちですが、相場が急落した一瞬でラインを割ると、 ここまでの利息では到底取り返せないほどの元本割れになることがあります。

仕組み③|EB債は「値下がりした株式」で返ってくる

EB債(他社株転換債)では、対象の株価が下がると、満期時にお金ではなく、値下がりしたその会社の株式そのもので返されることがあります。 受け取った株がさらに下がれば損は広がり、「高利回りの債券のつもりが、いつのまにか下落した個別株を持たされていた」という事態になりかねません。

仕組み④|途中で売りにくく、手数料も見えにくい

仕組み債は途中で売ろうとしても買い手が限られ、不利な価格でしか換金できないことがあります。 さらに、商品に販売側の手数料(コスト)が価格に組み込まれて見えにくいため、 投資家が思う以上に販売側が利益を得やすい構造になっている、と指摘されてきました。

「複雑すぎて自分で説明できない商品」は、買わないのが安全

仕組み債は、金融のプロでも価格やリスクの評価が難しいほど複雑な商品です。 高い利回りは大きな下落リスクを引き受けた対価であり、「利益は小さく・損失は大きい」という投資家に不利な形が組み込まれています。 「ノックインしなければ大丈夫」と言われても、急落はいつ起きるか誰にもわかりません。 仕組みを自分の言葉で説明できないなら、それは「よくわからないまま大きなリスクを取っている」状態です。 わからない商品には、手を出さないのが最も確実な防御です。

勧められたときに確認したいポイント

  • 最悪の場合、いくらまで減るのか(元本割れの最大幅)を具体的な数字で聞く
  • ノックインの条件(何が・どこまで下がったら発動するか)を確認する
  • EB債なら株式で返ってくる可能性と、その株の値動きリスク
  • 途中で売れるか、売る場合いくらで換金できそうか
  • 手数料(コスト)がどれだけ含まれているか。同じお金を国債やインデックス投資に回した場合と比べる

まとめ|「高利回りの債券」には大きな裏がある

  • 仕組み債はデリバティブを組み込んだ複雑な商品で、高利回りは下落リスクの対価
  • 利益は限られ、損失は大きい(投資家に不利な非対称な形)
  • ノックインで大きく元本割れ、EB債は値下がり株で返ってくることも
  • 途中で売りにくく、手数料が見えにくい
  • 自分で仕組みを説明できない商品は買わないのが最大の防御

勧められて迷っているときは

証券会社や銀行で勧められても、その場で決める必要はありません。「最悪いくらまで減るのか」を数字で確認し、 納得できなければ断って大丈夫です。強引な勧誘や説明不足を感じたら、消費生活センター(電話「188」)や、 金融商品の相談ができる窓口に相談しましょう。 本記事は一般的な情報提供であり、特定の商品をすすめるもの・投資助言ではありません。

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この記事を書いた人

みのり

元銀行員・FP3級。住宅ローンや高齢者向け金融商品の相談窓口での経験をもとに、 家賃・住宅・相続・保険など「お金のトラブル」をわかりやすく解説しています。

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