「無料で点検します」「近くで工事をしているので、ついでに見ますよ」—— 突然訪ねてきた業者にこう言われたことはありませんか。 点検を口実に家に上がり込み、「このままでは危険」と不安をあおって高額な工事や商品を契約させるのが「点検商法」です。 とくに高齢者が狙われやすい手口です。よくある流れと、きっぱり断るためのポイントを中立的に整理します。
点検商法とは
点検商法は、「点検」を装って近づき、住まいの不具合を大げさに指摘して、不要な工事や商品を契約させる手口です。 「無料」という言葉や「あなたのため」という親切そうな態度で油断させ、 最終的に数十万円〜数百万円の契約を結ばせるケースもあります。
狙われやすい分野
- 屋根・外壁:「瓦がずれている」「このままだと雨漏りする」
- 床下:「シロアリがいる」「湿気がひどい」と換気扇や薬剤の工事をすすめる
- 水回り・排水管:「配管が詰まりかけ」「水漏れの危険」
- 給湯器・電気・ガス:「古くて危険」「火災のおそれ」
- 消火器・浄水器・火災報知器:「設置が義務」「期限切れ」と買い替えを迫る
典型的な流れ
- ① 「無料点検」「近所で工事中」と突然訪ねてくる(または電話)
- ② 点検と称して家に上がり、写真や“部品”を見せて不安をあおる
- ③ 「今すぐ直さないと危険」「今日契約すれば安い」と契約を急がせる
- ④ 高額な工事・商品を契約。不要だったり、手抜き工事のこともある
手口①|「無料」「義務」「近所でも」で油断させる
「点検は無料」「法律で点検が義務」「ご近所でも工事しています」などと、 断りにくい雰囲気を作ります。本当に義務や危険があるかは、その業者の言葉だけでは分かりません。
手口②|「偽の証拠」で不安をあおる
他人の家の写真を「お宅の床下です」と見せたり、 わざと部品を持ち込んで「これが落ちていた」と言ったり、 ときには点検中にわざと壊して「ほら、こんなに傷んでいる」と見せることもあります。 見せられた“証拠”をうのみにしないことが大切です。
手口③|公的機関や大手を装う
「市役所(水道局・ガス会社)の方から来ました」など、 公的機関や大手の関係者を装って信用させることがあります。 本当の公的機関が、突然訪問して有料の工事をその場で契約させることは通常ありません。 身分証の提示を求め、不審ならその場で本物の窓口に電話で確認しましょう。
突然の「無料点検」は、家に上げない・その場で契約しない
頼んでいないのに来た「無料点検」は、玄関先できっぱり断り、家に上げないのが基本です。 点検後に工事をすすめられても、その場では契約せず、 「家族に相談します」「別の業者にも見てもらいます」と言って必ず持ち帰りましょう。 急かす業者ほど要注意です。少しでも不安なら、契約のサインをしないことが何よりの防御です。
もし契約してしまったら|クーリングオフ
訪問販売で契約してしまっても、あきらめないでください。 訪問販売にはクーリングオフという制度があり、契約書面を受け取った日を含めて8日以内であれば、理由を問わず無条件で契約を解除できます(特定商取引法)。 書面(はがきや内容証明など、記録の残る方法)で通知するのが確実です。 手続きの仕方が分からないときは、消費生活センターに相談すれば教えてもらえます。 ※うそや脅しで契約させられた場合などは、8日を過ぎても解除できることがあります。
身を守るためのポイント
- 頼んでいない「無料点検」は玄関先で断る。家に上げない
- 点検・工事は、自分から依頼した信頼できる業者にだけ頼む
- その場で契約せず、家族や別の業者に相談してから判断する
- 見せられた写真や“証拠”をうのみにしない
- 一人のときは特に注意。家族・近所と手口を共有しておく
まとめ|「無料」「今すぐ」「あなたのため」に注意
- 点検商法は点検を装い、不安をあおって高額契約させる手口
- 屋根・床下・水回り・消火器など分野はさまざま
- 頼んでいない点検は断る・家に上げない・その場で契約しない
- 契約しても8日以内ならクーリングオフ。迷ったら相談を
困ったとき・契約してしまったときは
「契約してしまったが解約したい」「点検商法かもしれない」と思ったら、消費生活センター(電話「188」)に相談できます。クーリングオフの方法も教えてもらえます。 詐欺や脅しの疑いがある場合は、警察相談専用電話「#9110」へ。 一人で悩まず、できるだけ早く相談しましょう。