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詐欺・悪質商法対策2026.10.22 公開・2026.10.22 更新

ハッカーもエージェント型AIを使う時代|守る側こそAIを駆使して防御を強くする理由

この記事は約5分で読めます

サイバー攻撃を仕掛ける側も、すでにAIを使っています。さらに、目的に合わせて手順を考え、 複数の作業を自動で進める「エージェント型AI」が広がると、攻撃の速さと量は一段と増します。 人だけで守り続けるのが難しくなる今、守る側こそエージェント型AIを駆使し、防御の速度を上げることが重要です。

攻撃側はAIで「速さ・量・巧妙さ」を高めている

AIが登場したから、まったく新しい攻撃だけが生まれるわけではありません。 まず起きているのは、これまで人が行ってきた調査や文章作成、弱点探しなどが、より短時間に、より大量に行われることです。

  • 標的の調査:公開情報を集め、狙いやすい会社や担当者を絞り込む
  • だまし文句の作成:相手に合わせた自然な日本語のメールやメッセージを大量に作る
  • 弱点探し:公開されたシステムやプログラムを調べ、攻撃できそうな場所を探す
  • 攻撃の修正:失敗した結果をもとに、方法を変えて繰り返す
  • 盗んだ情報の整理:大量のファイルから価値のある情報をすばやく見つける

英国の国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)も、AIによってサイバー侵入の頻度と強度が高まり、 調査、弱点の発見、だましによる侵入などが効率化すると評価しています。 攻撃者が休まず作業できるようになれば、防御側が翌朝に警告を確認する運用では間に合わない場面が増えます。

なぜ「人だけの防御」では追いつきにくいのか

会社のシステムからは、毎日大量のアクセス記録や警告が出ます。 そのすべてを人が読み、危険度を判断し、関係する端末や利用者を調べるには時間がかかります。 本当に危険な一件が、数百件の軽い警告に埋もれることもあります。

攻撃側がAIで作業を高速化する一方、防御側だけが人手中心のままでは、見つけるまでの時間、判断するまでの時間、止めるまでの時間に差が開きます。 大切なのは、担当者をAIに置き換えることではありません。 AIに大量の確認作業を任せ、人は重大な判断へ集中できるようにすることです。

AIを使わないことが、安全とは限りません

守る側がAIの導入をためらっている間も、攻撃側はAIを利用できます。 重要なのは無条件に自動化することではなく、人の管理下でAIを安全に使い、対応速度の差を縮めることです。

守る側のAIエージェントに任せられること

防御用のAIエージェントは、監視から復旧までの作業をつなぎ、担当者を支援できます。 特に効果が期待できるのは、情報量が多く、同じ確認を繰り返す場面です。

  1. 24時間の監視:ログイン、端末、メール、クラウドなどの記録を横断して、不自然な動きを探す
  2. 警告の優先順位づけ:大量の警告を整理し、被害につながる可能性が高いものを先に担当者へ知らせる
  3. 関連情報の収集:怪しい通信が見つかったとき、関係する利用者、端末、ファイル、過去の記録を自動で集める
  4. だましメールの分析:文面、送信元、リンク、添付ファイルなどを調べ、危険な理由を担当者へ説明する
  5. 弱点修正の優先づけ:見つかった弱点の中から、実際に攻撃されやすく影響が大きいものを先に示す
  6. 初動対応の支援:端末の隔離やアカウント停止など、被害を広げないための手順を提案する
  7. 訓練と点検:攻撃者の視点で守りの弱い場所を探し、事故が起きる前に改善候補を示す

目指すのは「AI対AI」ではなく「人+AI対AI」

AIエージェントは速く、大量の情報を扱えますが、判断を誤ることもあります。 誤った検知で大切な業務を止めたり、正常なアカウントを停止したりすれば、それ自体が被害になります。 そのため、守りのAIにもできることの上限が必要です。

  • 調査と提案は自動化しても、重要な停止・削除・遮断は人が承認する
  • AIが見た情報、判断した理由、実行した操作を記録する
  • 一つのAIにすべての権限を渡さず、役割ごとに分ける
  • 誤動作したときに、すぐ停止・取り消しができるようにする
  • 定期的に、見逃しや誤検知がないか専門家が点検する

AIは「最後の責任者」ではなく、休まず働く調査員・監視員・補佐役として使うのが現実的です。AIの速度と、人の経験・責任ある判断を組み合わせることで、防御の質を高められます。

導入は「見える化」から小さく始める

いきなりAIにシステムを止める権限を与える必要はありません。 まずは、現在出ている警告を要約する、関係する記録を集める、対応案を作るといった読み取り中心の仕事から始めます。

  1. 守る対象を決める:メール、社内端末、クラウドなど、対象を一つに絞る
  2. AIは提案までにする:最初は自動で止めず、人が結果を確認する
  3. 効果を測る:確認時間、見逃し、誤検知がどう変わったか記録する
  4. 権限を段階的に広げる:安全性を確認できた範囲だけ自動化する

MicrosoftやGoogleも、攻撃と防御の双方がAIによって高速化し、防御側は発見、分析、優先順位づけ、対応を AIで加速させる必要があると示しています。一方で、AIエージェント自体も攻撃対象になるため、 権限を最小限にし、動きを継続的に監視することが欠かせません。

まとめ|攻撃が機械の速さになるなら、守りにもAIが必要

  • 攻撃側はAIで調査・弱点探し・だまし・攻撃の繰り返しを高速化している
  • 人だけで大量の警告を追う防御では、発見と初動が遅れる可能性がある
  • 守る側もAIエージェントを使い、24時間の監視、分析、優先順位づけ、初動を速める必要がある
  • 完全自動化ではなく、重要操作は人が承認する「人+AI」の体制が基本
  • 読み取りと提案から小さく始め、効果と安全性を確認しながら広げる

AIを安全に使い、守る速度を高めましょう

AIによるサイバー脅威の変化は、英国NCSCの評価、Google Cloudの2026年予測、Microsoft Digital Defense Report 2026でも説明されています。具体的な導入では、自社の情報やシステムを理解するセキュリティ担当者・専門家と相談し、 権限、承認、記録、停止方法を先に決めてから進めましょう。

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み

この記事を書いた人

みのり

元銀行員・FP3級。住宅ローンや高齢者向け金融商品の相談窓口での経験をもとに、 家賃・住宅・相続・保険など「お金のトラブル」をわかりやすく解説しています。

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